2025年問題を前に介護の不安を無くしていきましょう

「まだ早い」は禁物!60代から知っておきたい「介護保険制度」のキホン~申請からサービス利用まで~

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<b>「まだ早い」は禁物!60代から知っておきたい「介護保険制度」のキホン~申請からサービス利用まで~</b>

こんにちは!ブログにお越しいただき、ありがとうございます。 60代のあなたへ。毎日お元気でお過ごしのことと思います。「介護」という言葉を聞くと、どうでしょう?「うーん、まだ自分には関係ないかな」「親の時にはお世話になったけど、自分のことはまだ考えられないわ」…そんな風に感じていらっしゃる方も多いかもしれませんね。ええ、分かります、そう思いますよね。できればずっと元気で、誰の手も借りずに暮らしていきたい、それが正直な気持ちだと思います。
でも、人生には予期せぬことも起こります。例えば、長年連れ添ったご主人や奥様が、ある日突然、病気で倒れたり、転んで骨折してしまったり…。そんな時、ご本人はもちろん、支えるご家族も、心身ともに大きな負担がかかります。そして、十分な情報がないまま、慌てて介護サービスを探したり、施設への入居を決めたりして、「もっとちゃんと調べておけばよかった…」と後悔してしまうケースも、残念ながら少なくないのです。
だからこそ、なんです。体力にも気力にも、そして時間にも少しゆとりがある「60代の今」だからこそ、いざという時に自分や家族を守るための「お守り」として、「介護保険制度」の基本的なことを知っておく。それが、将来の安心につながる、とても大切な一歩になるのです。
「なんだか難しそう…」「役所の手続きって面倒なんでしょ?」そんな心配はご無用です!今日の記事では、この介護保険制度について、「基本のキホン」を、できるだけ分かりやすく、皆さんに語りかけるようにお伝えしていきます。肩の力を抜いて、「へぇ、そういう仕組みなんだ」という軽い気持ちで読み進めてみてくださいね。
1. そもそも「介護保険制度」って何? ~みんなで支え合う仕組み~

まず、一番大切なことからお話ししますね。「介護保険制度」とは、一言でいえば、**「もし介護が必要になった時、少ない負担で様々なサポート(介護サービス)を受けられるように、社会全体で支え合う仕組み」**のことです。
日本は、世界でも有数の長寿国。それは素晴らしいことですが、同時に、介護を必要とする高齢者の方も増えています。昔のように「介護は家族がするもの」という考え方だけでは、支えきれない時代になりました。そこで、「介護が必要になっても、できる限り住み慣れた地域で、その人らしく尊厳を持って暮らしていけるように」「介護する家族の負担も軽くできるように」と、2000年(平成12年)に始まったのが、この介護保険制度なのです。
仕組みとしては、皆さんが普段利用されている健康保険(病院にかかる時の保険証ですね)と少し似ています。 40歳以上の国民全員が保険料を納め、それを財源として、介護が必要になった時に、必要なサービスを受けられる、というわけです。まさに、みんなで少しずつお金を出し合って、困ったときにお互いを助け合う、「相互扶助(そうごふじょ)」=助け合いの精神に基づいた制度なんですね。
この制度を運営しているのは、国や都道府県ではなく、**皆さんがお住まいの「市区町村」(市役所や区役所、町役場、村役場)**です。だから、相談したり、手続きしたりする窓口も、身近な場所にあるんですよ。これも覚えておいてくださいね。
2. どんな人が使えるの? ~対象となる方~<b>
では、この介護保険制度、具体的にどんな人が利用できるのでしょうか?対象となる方(これを「被保険者(ひほけんしゃ)」と言います)は、大きく分けて2つのグループがあります。
65歳以上の方(第1号被保険者) これが、主に私たち60代が将来的に関わってくる可能性が高いグループです。 65歳以上の方で、病気やケガ、あるいは加齢による衰えなど原因を問わず、日常生活を送る上で、「支援や介護が必要な状態である」と、お住まいの市区町村から正式に認められた(=認定を受けた)場合に、介護保険のサービスを利用することができます。
ここで大切なポイントが一つ! 65歳になったら自動的に誰でもサービスを使える、というわけではない、ということです。あくまで、「支援や介護が必要な状態かどうか」を、市区町村が公平に判断し、「認定」を受ける必要があるんですね。「どうして認定が必要なの?」と思うかもしれませんが、それは、その方の状態に合わせて、本当に必要なサービスを、適切な量だけ提供するためなんです。
40歳から64歳までの方(第2号被保険者) こちらは、現役世代の方々ですね。40歳から64歳までの方でも、「特定の病気(※)」が原因で、支援や介護が必要だと認定された場合には、介護保険のサービスを利用できます。(※特定の病気とは、がん(末期)、関節リウマチ、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)、骨折を伴う骨粗しょう症、初老期の認知症など、加齢に伴って生じやすいとされる16種類の病気を指します。)今回は60代の方向けの記事ですので、参考程度に知っておいていただければと思います。
まとめると、65歳を過ぎて、「日常生活で、誰かの助けが必要になってきたな…」と感じた時に、申請をして認定を受けることで、この制度を利用できるようになる、ということですね。例えば、お風呂に入るのが一人では不安になったり、着替えや食事の準備に手助けが必要になったり、といった状態が目安になります。
3. 「助けが必要かも…」と思ったら? ~申請のタイミングときっかけ~
「じゃあ、具体的にどんなタイミングで申請を考えればいいの?」と思いますよね。介護保険の申請を考えるきっかけは、人それぞれです。
ご自身の体の変化を感じた時 「最近、どうも立ち上がるのが億劫で…」「前は平気だった階段の上り下りが辛くなってきた」「お風呂掃除や料理が前みたいにテキパキできなくなった」「物忘れが増えて、少し心配…」など、ご自身の日常生活での「あれ? ちょっと前と違うな」という小さな変化が、最初のサインかもしれません。
ご家族や周りの方が気づいた時 ご本人は「まだ大丈夫」と思っていても、毎日一緒にいるご家族や、久しぶりに会ったお子さんなどが、「なんだか足元がおぼつかないみたい」「受け答えが少しおかしいかも?」と変化に気づくこともあります。
医療機関や専門家から勧められた時 病気やケガで入院し、退院後の生活に不安がある場合(病院のソーシャルワーカーさんから話があることも)、あるいは、かかりつけのお医者さんから「そろそろ介護保険の利用を考えてみては?」と勧められた時なども、申請を考える良いタイミングです。
「ちょっと話を聞いてみたい」と思った時 まだ具体的なサービス利用は考えていなくても、「最近、体力が落ちてきて、将来が少し不安…」「どんなサービスがあるのか、情報だけでも知っておきたい」と感じた時。これも立派な相談のきっかけです。後ほどご紹介する「地域包括支援センター」などに、気軽に相談してみるのがおすすめです。
大切なのは、「もう限界!」と感じるまで我慢しないこと。少しでも「助けがあったら楽になるかも」「話を聞いてもらいたいな」と感じたら、それが相談・申請を考えるタイミングだと思ってください。早めに行動することで、ご自身の負担も軽くなり、より良い選択肢を見つけやすくなりますよ。
4. どうやって使うの? ~申請から認定までの簡単な流れ~
さて、いよいよ具体的に「どうやって申請するの?」というお話です。介護保険サービスを利用するためには、まずお住まいの市区町村に申請して、「あなたの介護の必要度(どれくらい手助けが必要か)」を判定してもらう必要があります。これを**「要介護認定(ようかいごにんてい)」または「要支援認定(ようしえんにんてい)」**と言います。その認定までの大まかな流れを、ステップで見ていきましょう。
<b>ステップ1:相談・申請する</b>
どこに?:お住まいの市区町村の介護保険担当窓口(市役所や区役所など)か、「地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)」(後ほど詳しく説明します)に相談・申請します。ご本人だけでなく、ご家族が代理で申請することも可能です。
必要なもの(例):申請書(窓口でもらえます)、介護保険の保険証(65歳になると市区町村から送られてきます)、健康保険証、マイナンバーカードなどが必要になる場合があります。詳しくは窓口で確認しましょう。
<b>ステップ2:お体の状態を調査してもらう(認定調査)</b>
申請すると、市区町村の職員や委託されたケアマネジャーなどの認定調査員が、ご自宅などを訪問し、ご本人の心身の状態について聞き取り調査を行います。
どんなことを聞かれるの?:立ち上がりや歩行などの基本的な動作、入浴や着替えなどの日常生活動作、意思疎通や記憶力などの認知機能、最近困っていることなど、約70~80項目にわたって、具体的に質問されます。普段のありのままの状況を、正直に伝えることが大切です。ご家族が同席することもできます。
同時に、市区町村からご本人のかかりつけ医(主治医)に、心身の状況についての意見書(主治医意見書)の作成が依頼されます。これは、医学的な視点からの判断材料となる、とても重要な書類です。
<b>ステップ3:どれくらいサポートが必要か判定(審査・判定)</b>
認定調査の結果(コンピューターによる一次判定)と、主治医意見書などをもとに、「介護認定審査会」という専門家(保健・医療・福祉の学識経験者)が集まる会で、介護の必要度合いについて公平な審査・判定が行われます。
<b>ステップ4:結果のお知らせ(認定結果通知)</b>
申請から原則30日以内に、市区町村から認定結果が記載された通知書と、新しい介護保険証が郵送で届きます。
結果は、以下のいずれかになります。
要支援(ようしえん)1・2:「介護が必要な状態」ではないけれど、日常生活で何らかの支援が必要な状態。主に介護予防サービスを利用できます。
要介護(ようかいご)1~5:日常生活を送る上で、何らかの介護が必要な状態。数字が大きいほど、必要とされる介護の度合いが高くなります。利用できるサービスの種類や量が増えます。
非該当(ひがいとう):今のところ、介護保険のサービスが必要な状態ではない(自立している)と判断された場合。この場合でも、市区町村が行う介護予防事業などを利用できることがあります。
認定には有効期間があります(通常、新規は6ヶ月、更新は12ヶ月など)。引き続きサービスが必要な場合は、期間が終了する前に更新手続きが必要です。
少し手続きが多いように感じるかもしれませんが、これは一人ひとりの状態に合った適切なサポートを提供するための大切なプロセスです。分からないことや不安なことは、遠慮なく申請窓口や地域包括支援センターに質問してくださいね。
5. どんなサポートが受けられるの? ~主なサービスの種類~
無事に要支援・要介護の認定が出たら、いよいよ介護保険のサービスを利用できるようになります。「一体、どんなサポートをしてもらえるの?」と気になりますよね。介護保険で利用できるサービスは、本当にたくさんあります。大きく分けると、ご自宅で生活しながら利用するサービス、施設に入居して利用するサービス、そして地域に密着したサービスがあります。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。(※利用できるサービスの種類や量は、認定された要支援・要介護度によって異なります。)
ご自宅で受けられるサービス(在宅サービス) 住み慣れたご自宅での生活を続けながら、必要なサポートを受けることができます。
訪問介護(ホームヘルプ):ヘルパーさんが自宅を訪問し、食事・入浴・排泄などの介助(身体介護)や、掃除・洗濯・調理・買い物などの生活の援助(生活援助)をしてくれます。
訪問入浴介護:ご自宅のお風呂での入浴が難しい場合に、専用の浴槽を積んだ車で訪問し、入浴の介助をしてくれます。
訪問看護:看護師さんが自宅を訪問し、病状の観察、医療処置(医師の指示が必要)、療養上のアドバイスなどを行います。
訪問リハビリテーション:理学療法士や作業療法士などが自宅を訪問し、日常生活に必要な機能回復のためのリハビリを行います。
通所介護(デイサービス):日帰りで施設に通い、食事や入浴の提供、レクリエーション、機能訓練などを受けられます。家に閉じこもりがちな方の気分転換や、ご家族の休息(レスパイト)にもなります。
通所リハビリテーション(デイケア):医療機関や介護老人保健施設などに通い、医師の指示のもとでリハビリテーションを受けられます。
短期入所生活介護/療養介護(ショートステイ):一時的に施設に宿泊し、日常生活上の介護や機能訓練などを受けられます。ご家族の病気や冠婚葬祭、旅行、休息などの際に利用できます。
福祉用具のレンタル・購入:車いす、特殊寝台(介護用ベッド)、歩行器などのレンタルや、入浴・排泄に使われる特定福祉用具の購入費用の一部が補助されます。
住宅改修費の支給:手すりの取り付け、段差の解消、和式トイレから洋式トイレへの変更など、自宅での生活をしやすくするための改修費用の一部が補助されます(上限あり)。
施設に入居して利用するサービス(施設サービス) ご自宅での生活が難しくなった場合に、施設に入居して介護サービスを受けます。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム:特養):常時介護が必要で、自宅での生活が困難な方が入居する施設。終身利用も可能です。(原則、要介護3以上の方が入居対象)
介護老人保健施設(老健):病状が安定し、リハビリテーションを中心としたケアが必要な方が、在宅復帰を目指して一時的に入所する施設。
介護医療院:長期的な医療と介護の両方が必要な方のための施設。
地域に密着したサービス(地域密着型サービス) 住み慣れた地域での生活を続けられるように、地域の特性に応じた柔軟なサービスが提供されます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム):認知症の高齢者が、少人数(5~9人)で共同生活を送りながら、専門的なケアを受けられる施設。
小規模多機能型居宅介護:「通い(デイサービス)」を中心に、「訪問(ホームヘルプ)」や「泊まり(ショートステイ)」を組み合わせて利用できるサービス。
いかがでしょう?本当に色々なサービスがありますよね。これらのサービスを上手に組み合わせることで、ご自身の状態や希望に合ったサポートを受けることができるのです。
6. 認定が出たら、次にすること ~ケアプランを作ろう~
さて、要支援・要介護の認定を受けて、利用できるサービスの種類も分かりました。「じゃあ、明日からすぐにデイサービスに行けるの?」というと、実はもう一つ、大切なステップがあります。それが、**「ケアプラン(介護サービス計画書)」**の作成です。
ケアプランとは、「認定されたご本人が、どのような生活を送りたいかという希望を踏まえ、その目標を達成するために、どのサービスを、いつ、どのくらい利用するか」を具体的に定めた計画書のこと。いわば、介護サービスを利用するための「設計図」や「羅針盤」のようなものです。このケアプランに基づいて、実際のサービス利用が始まります。
「えっ、そんな計画書、自分で作らなきゃいけないの?」いいえ、ご安心ください。ケアプランは、介護の専門家である**「ケアマネジャー(介護支援専門員)」**が、ご本人やご家族と一緒に作成します。
要支援1・2と認定された方:お住まいの地域を担当する**「地域包括支援センター」**の担当者がケアプラン(介護予防ケアプラン)を作成します。
要介護1~5と認定された方:**「居宅介護支援事業所」**に所属するケアマネジャーがケアプランを作成します。どの事業所のケアマネジャーにお願いするかは、市区町村から紹介してもらったり、自分でリストの中から選んだりすることができます。
ケアマネジャーは、まずご本人やご家族と面談(アセスメント)し、心身の状態、生活環境、そして「これからどんな風に暮らしていきたいか」というご希望をじっくりと伺います。その上で、利用できるサービスの中から、ご本人に合った最適なサービスの組み合わせを考え、ケアプランの原案を作成します。その後、ご本人やご家族、そして実際にサービスを提供する事業者(ヘルパー事業所やデイサービスなど)も交えて「サービス担当者会議」を開き、プラン内容を確認・調整して、最終的なケアプランが完成します。
ケアマネジャーは、プランを作成するだけでなく、サービス事業者との連絡調整、サービス開始後の状況確認(モニタリング)、必要に応じたプランの見直しなど、継続的にサポートしてくれる、とても頼りになる存在です。
そして、嬉しいことに、ケアプランの作成や、ケアマネジャーへの相談には、自己負担はありません(無料です)。 介護保険から全額給付されるんですね。ですから、遠慮なくご自身の希望を伝え、納得のいくケアプランを一緒に作ってもらうことが大切です。
7. お金はどれくらいかかるの? ~自己負担について~
介護保険サービスを利用する上で、やはり気になるのが費用ですよね。「たくさんサービスを使ったら、すごくお金がかかるんじゃないかしら…」と心配になるかもしれません。
介護保険サービスを利用した場合の自己負担は、**かかった費用の原則「1割」**です。例えば、1ヶ月に10万円分のサービスを利用した場合、自己負担額は1万円、ということになります。残りの9割は、皆さんが納めた保険料や税金で賄われるわけです。
ただし、現役並みの所得がある方については、所得に応じて**「2割」または「3割」負担**となる場合があります。ご自身の負担割合が何割になるかは、毎年市区町村から送られてくる「介護保険負担割合証」で確認できます。
「それでも、重い介護が必要になったら、1割負担でも高額になるんじゃ…?」そうですよね、心配になるお気持ちも分かります。でも、ご安心ください。家計への負担が重くなりすぎないように、1ヶ月の自己負担額には上限が設けられています。この上限額は、世帯の所得状況などによって区分が分かれています。もし、1ヶ月に支払った自己負担額(同じ世帯に利用者が複数いる場合は合算)が、この上限額を超えた場合、超えた分の金額が後から払い戻される制度があります。これを**「高額介護サービス費」**と言います。(※払い戻しを受けるには、市区町村への申請が必要です。)
例えば、一般的な所得の世帯(住民税課税世帯)の場合、月々の負担上限額は44,400円(2025年5月現在)となっています。つまり、この世帯の方が1ヶ月に5万円分の自己負担(1割)をした場合、上限額を超えた5,600円が後で戻ってくる、という計算になります。(※食費、居住費、日常生活費、福祉用具購入費、住宅改修費などは、この高額介護サービス費の対象外です。)
このように、自己負担が一定額に抑えられる仕組みがあるので、経済的な心配を少し和らげながら、必要なサービスを利用することができるんですね。とはいえ、所得区分や上限額は変更されることもありますので、詳しくは市区町村の窓口やケアマネジャーさんに確認することをおすすめします。
8. 困ったとき、もっと知りたい時、どこに相談すればいい? ~頼れる窓口~
ここまで、介護保険制度の基本的な流れや仕組みについてお話ししてきましたが、いかがでしたか?「なんとなくは分かったけど、いざ自分が申請するとなると、やっぱり不安…」「もっと細かいことを聞きたいんだけど…」そう感じる方もいらっしゃるでしょう。
そんな時、高齢者の皆さんやそのご家族にとって、一番身近で頼りになる相談窓口があります。それが、**「地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)」**です!
「ちいきほうかつ…?」ちょっと長い名前で、聞き慣れないかもしれませんが、ぜひ覚えてください。地域包括支援センターは、高齢者の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らせるように、保健・福祉・医療など様々な面から総合的に支えるための中核機関として、全国の各地域(おおむね中学校区ごと)に設置されています。
ここには、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーといった専門職がいて、高齢者に関する様々な相談に無料で応じてくれます。
介護に関する総合相談:「最近、親の物忘れが気になるんだけど…」「一人暮らしの将来が不安…」など、どんな些細なことでも相談OK。
介護保険の申請サポート:要介護認定の申請手続きのお手伝いをしてくれます。
権利擁護:高齢者虐待の早期発見・防止、成年後見制度の利用支援、悪質な詐欺被害の相談など、皆さんの権利を守るためのサポートをします。
介護予防ケアマネジメント:要支援1・2と認定された方のケアプラン作成や、元気なうちから介護予防に取り組むための支援を行います。
地域の様々な機関との連携:地域の医療機関、介護サービス事業者、民生委員などと連携し、皆さんをサポートする体制を整えています。
まさに、高齢者のための「よろず相談所」といった存在ですね。「介護保険について、もっと詳しく知りたい」「自分の場合はどうなるんだろう?」と思ったら、まずはお住まいの地域の「地域包括支援センター」に電話してみる、あるいは直接訪ねてみることを強くおすすめします。きっと、親身になって相談に乗ってくれますよ。
もちろん、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でも、制度に関する詳しい説明や手続きの案内を受けることができます。
そして、要介護認定を受け、ケアマネジャーさんが決まった後は、そのケアマネジャーさんも、サービスに関する疑問や困りごとを相談できる、一番身近な専門家になります。
一人で悩まず、これらの頼れる窓口を、ぜひ気軽に活用してくださいね。
9. まとめ:知っておくことが「安心」につながる
さて、今日は60代の皆さんに知っておいていただきたい「介護保険制度」のキホンについて、申請からサービス利用までの流れを中心にお話ししてきました。少し長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「まだ早い」と思っていた介護のこと、少し身近に感じていただけたでしょうか?今日の話を聞いて、「なんだか、思ったよりちゃんと支えてくれる仕組みがあるんだな」と、少しでも安心感を持っていただけたら嬉しいです。
そうなんです。介護保険制度は、決して他人事ではありません。誰にでも、いつか訪れるかもしれない「もしも」の時に、私たち自身と大切な家族を支えてくれる、セーフティネット(安全網)なのです。
もちろん、制度の全てを完璧に覚える必要はありません。大切なのは、「いざという時に、こういう制度があって、こういう流れでサポートを受けられるんだ」「困った時には、地域包括支援センターに相談すればいいんだ」ということを、今のうちから、ぼんやりとでも知っておくこと。 その「知っている」という事実だけで、いざという時の心の余裕が全く違ってきます。慌てずに済みますし、より冷静に、ご自身やご家族にとって一番良い選択をすることができるはずです。
この記事が、皆さんが将来への備えについて考える、小さなきっかけとなれば幸いです。
さあ、今日からできる小さな一歩として、まずはお住まいの地域の「地域包括支援センター」がどこにあるか、電話番号などを調べてみませんか? スマートフォンやパソコンで「〇〇市(お住まいの市区町村名) 地域包括支援センター」と検索すれば、すぐに見つかるはずです。そして、もしよろしければ、ご夫婦で、あるいはお子さんたちと、「もしもの時、どうしたいか」「介護保険のこと、少し調べてみたんだけど…」と、このお話をきっかけに、オープンに話し合ってみるのも、とても良いことだと思います。
このブログでは、これからも60代からの人生を豊かに、そして安心して送るためのヒントになるような情報を、分かりやすくお届けしていきたいと思っています。またぜひ、読みにいらしてくださいね。
それでは、皆さんの毎日が、健やかでありますように。